合同書庫

〇 父の句

 無名の人物(たぶん)が生前に作った俳句を、遺族がまとめてみました。
 いったんは紙に印刷して身内に配布したのですが、素人のこと、誤りが多かったので修正し、ついでにあとで発見した句を追加しました。

 

〇 雑句庵

 自作の俳句のようなものを、とりあえず置いています。

 

〇 フィクション

 もし現実に似たような話があったとしても、フィクションです。

 ・霊膳小説

 ・小説・マンション撤収記

 

〇 「記録」

 阪神・淡路大震災などの周辺の記録です。

小説・マンション撤収記13

後日談

 これまでに部分的に書いたものもあるが、大まかな費用について。
 遺体運搬、遺体検案料、火葬、葬儀か法事かとにかくお寺に払ったお金、墓石の字掘りや位牌などが40万円前後。
 マンションの特殊清掃(ゴミその他の片づけ)が60数万円。なお、マンションは床面積50平米弱の2DK。
 財産調査や相続などの手続きの委託が80数万円。こちらは前払金(着手金)が必要なところ、葬儀社からの紹介ということで、精算払のみでよいこととなった。
 マンションは、事故物件的な要素があるのと、そもそも古いこともあり、安値でしか売れなかった。まあ、これは予想の範囲内。売却までにガラスの修理などに金はかかったが、差し引きでプラスにはなった。あとになって所管の税務署から譲渡所得にかかる照会状が届いたが、兄の購入額からかなり安くなっており、税務署の担当者も残念だっただろう。むろん、回答書に対して税務署からのツッコミはなかった。
 その他、預貯金など債権系の財産があり、費用を引いた上で姉と(ほぼ)民法どおりに分割相続した。まあ、相続税がかかるか心配するほどのレベルには遠かったが、交通費などを考慮しても、いくらかの臨時収入とはなった。

 

 我が家に持ち帰った「遺品」はそう多くない。前妻との結婚式、披露宴などの写真アルバムもあったが、何か想いがあって手元においていたのか、処分するのが面倒だったのかはわからない。手紙の類は、親族(父や母など)からのものが多かったが、高校時代の同級生からのものもあった。兄が所属していた吹奏楽部の女性と思われる手紙からは、詳しい事情はわからないものの、楽しい部活だったのだろうことは感じられた。のちに、吹奏楽部を舞台にした小説と、それを基にしたアニメが人気になったことを知ったが、兄にもそういう青春時代があったのだろう。全国大会には進出できなかったにしても。

 

 さらにあとになって、新型コロナウイルス感染症という代物が世界中に広がった。最初はウイルスの性質がわからなず、有効な治療法もわからず、有名、無名の多くの人々が命を失い、あるいは後遺症で苦しんだ。マスク、医薬品、鎮痛解熱剤など、不足するものもあった。その中で、医療従事者、エッセンシャルワーカーと呼ばれる人々などは懸命に働き続けた。
 兄が現役で働いているときだったら、と、ふと思った。医薬品会社の営業として、医療従事者と会社との橋渡しをしていただろう。その時節には、オンラインで、だったかもしれないが。たしかに、社会の中で役割があり、それを果たしていたのだろう。

 

 これから「孤独死」と呼ばれるようなものが増えていくかもしれない。そういうことはない方がよいのだろうが、そういう最期を迎えた人の人生を一律に「不幸」だとか他人に決めつけられるのかな、と、ちょっと疑問に思った。

 

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小説・マンション撤収記12

2018年3月19日(月)

 亡兄のマンションの売買契約のため、大阪市内某所に行く。
 売主として契約書に署名押印し、他の書類をいくつかやり取りする。来年度(平成30年4月からの年度)の固定資産税は今年1月1日時点の所有者に賦課されるから、その実質的負担額についての確認とか。
 これで一段落。家に持ち帰ったものの整理など、まだまだ雑務は残っているが。

 

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小説・マンション撤収記11

11月4日(土)

 亡兄の携帯電話料金支払。死後も預金口座から落ちていたが、口座がロックされてしまってから、調査等を依頼している事務所から契約解除手続きが済むまでのタイムラグ分と思われる。これは、こっちの最寄りのドコモの営業所で支払可能。
 1,902円+182円=2,084円、1,702円+遅延利息125円=1,827円

 

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小説・マンション撤収記10

4月12日(水)

 亡兄のマンションに行き、

・サッシの修理(自治会長や警察が室内に進入するときに割れたガラス等)
・水洗トイレの修理(水の出がきわめて弱くなっていた)

 の立ち会い。
 ただし、サッシはガラスの入れ替えだけでなく、フレームの歪みが生じていて(進入時に強く叩いたか?)、当日だけでは完了しなかった。これについては、財産調査などを依頼している事務所に後日の立ち会いを依頼。そうそう仕事を休んでは来られない。

 

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小説・マンション撤収記9

3月28日(火)

 亡兄のマンションに行き、

・自動車の撤去(クレーン付きの車で)
・警察等の進入時に割られた窓ガラスの修繕費用の見積り

などの立ち会い。
 昔は、この自動車で兄は帰省していた。こっちが免許取りたての頃は、この自動車で運転の練習もさせてもらったことがある。そういえば、けっこう世話になっていたんだな。忘れていたが。
 帰省も電車を使うようになり、自動車は乗らなくなって何年か経っていたようだ。バッテリーは外しているか、完全に上がっているか。どっちにしても、財産価値はない。金にはならない。
 車のトランクに積んであった工具類等を持ち帰る。

 

※見積額
 ガラス入れ替え17,800円+6,100円
 トイレ(フラッシュバルブ取替え)24,400円+16,700円
 計65,000+税16,700=70,200円

 

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小説・マンション撤収記8

3月25日(土)

 亡兄のマンションのゴミ屋敷掃除が、昨日・3月24日から始まっている。
 24日は、財産調査などを依頼している事務所の人たちが立ち会い。
 25日は、5時前に起きて、6時過ぎに自宅出発。9時過ぎに漬いたときには、すでに依頼業者の人たちが作業にかかっていた。これまでは、JRと私鉄を乗り継いで来ていたが、自家用車でないとこの時間には着けない。大都市圏への長距離運転は好きではないが、そうもいってられない。
 午前中の、わりと早い時間に室内の作業自体は終了。
 段ボール箱(ごく軽く3箱)の中に取ってあった郵便や書類、写真、小銭等を確認するのがこちらの仕事。
 昼頃にゴミ収集専用車らしいものが来てゴミを積み込み、業者は撤収。
 こちらは昼食(ちょっと離れた場所で見つけたラーメン屋)をはさんで、14時前に帰途についた。亡兄の写真アルバム、小銭(とはいえ、現金計34,536円分が出てきた)などを段ボール箱ごと持ち帰る。すぐに整理しなくてもいいだろう。というか、仕事や日常生活の合間にマンションに通っているから、なかなか時間が取れない。

 

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小説・マンション撤収記7

3月6日(月)

 亡兄のマンションで、財産調査などの依頼をした事務所を通じて依頼した専門業者に、ゴミ屋敷片付けの見積もりを依頼。
 専門業者の話では、ゴミ屋敷最大級を10とすれば、6レベルとのこと。ただし、その「10」の屋敷は一戸建て、3人が死亡していたとか。
 生命保険会社2件への電話とか、いろいろあって、帰宅したら21時過ぎ。

※見積額は63万円余り。

 

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